ひとり

鮮明な記憶



今日急に思い出した、子どもの頃ひとりでお使いに行った時のこと。

小学校に入学したばかりの頃です。
お肉屋さんに初めてひとりで行ったのですが、買い物できずに帰ってきたことがありました。

お店に入りお客様が次々と注文する中、私はいる所がありません。
しばらく立ち尽くす私に気づいても、お店の方は何も言いません。

その時、『このお店は子供には売ってくれないのかもしれない。』と思ってしまいました。『私には買い物をする資格がないんだ。』そう思うともう自分から注文することはできなくなっていました。

「何か欲しいのですか?」と聞かれたらすぐに答えようと心の中で何度も「豚肉300g下さい。」と繰り返していました。しかし、声をかけられることもなく、他のお客様が次々と買い物をしていきました。

結局自分から注文することができず、買い物をせず家に帰りました。

お使いができなかったこと。注文を聞かれなかったこと。自分から注文できなかったこと。私にも売ってくれますか?と聞くことができなかったこと。そんなことを聞いても良いのかすらわからなくなっていました。

そんなことが頭の中でぐるぐるしながら、とぼとぼ歩き、勇気を出してできないことがいっぱいで泣きながら帰った事を思い出しました。


家に帰ると、「あんたはほんとに役に立たないダメな子だ!」と怒られ、すぐにもう一度買いに行くことになりました。

今度は母と一緒です。
でも母は怒っていて、行きも帰りも何も話しかけてくれません。
ちゃんとお使いができなかった私が悪いので、仕方がないことですが、とても悲しくてただ黙ってついていきました。

『自分は役に立たないんだ。何もできないダメ子なんだ。』そう感じた出来事でした。

それ以降、このパターンが根強く私の中に居続けています。とても鮮明に色褪せることなく。


今日出てきてくれてありがとう。
あの時の自分の話をゆっくり聞いて、パターンの救済をしていきます。