共演を重ねて



先日ここ盛岡で
タクト佐渡裕さんピアノソリスト反田恭平さん共演の新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会がありました。

世界のマエストロ佐渡さんと昨年のショパン国際ピアノコンクール2位の反田さんの共演、予想以上の華麗なる演奏会でした。


佐渡さんは「光に満ちたベートーヴェンを作りたい。客席と演奏者が空気の振動で一体となるそんな世界を楽しんでほしい。
さらに反田さんのピアノはキラキラした音色で、時に金粉が飛び散るような特別な音を持っている。そんな反田さんとなら目指すベートーヴェンができる。」と語りました。

演奏はベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」

『のだめカンタービレ』により何度も聞いた曲ではありますが、今まで聴いたものとは迫力も音の響きも全く違うことに驚きました。音が立体的に感じ音の響き合いが目に見えるようでした。タクトと演奏者の息が合い、観客も一体となる音と光の世界を体感できました。


ソリストアンコールの曲は
ショパンのエチュード
Opus25  Nr.12『大洋』です。
難しくてコンサートで弾く人はほとんどいないようです。

その演奏が見事で、一気に引き込まれ澄んだ音色と躍動感、指の動きに圧倒されました。鳥肌が立ち、最後は腰が抜けたように、その場から動くことができませんでした。

素晴らしいの一言です!
これを聴くためにここにきたのだと実感しました。

音を響かせるために、自分の体に筋肉や脂肪をつけていると聞きましたが、まさに体全体での演奏と感じました。「ピアノは指1本1本が楽器奏者みたいなもの。自分が指揮者のように鍵盤を使わなければいけない。1人のオーケストラがここにいると思って弾いている。」という言葉に納得しました。


夢のような共演を、また見ることができました。
毎年岩手において被災地を中心に演奏会を続けている佐渡さん。オーケストラを主催し若手演奏家を育て、指揮者としても活動している反田さん。これからのお2人の活躍を楽しみにしています。