手がける


小豆を炊きました。
水でもどす必要がないので、思い立ってすぐに取り掛かれるところが手軽で良いです。
この小豆を見ていたら、以前に見た『あん』という映画を思い出しました。


樹木希林さんが主演。
ハンセン病という難しい問題を扱っていて、そこに生きる意味というテーマがあり静かに穏やかに命というものを伝えてくれました。暖かく優しい気持ちになりました。


雇われ店主が営む小さなどら焼き屋。そのあん作りを助けていく主人公徳江

小豆が畑で育って、ここまで来てくれたことへの「ありがとう」と「おもてなし」の気持ち。小豆に向き合うその姿勢と気迫に圧倒されます。

何かを手がける時、これほどまでにそのものに耳を傾け愛情を注いでいるだろうか?
そんな姿にじんときました。これからはこうありたい。そう手がけていきたいと思いました。


忘れられない徳江さんのセリフより
「私たちはこの世を観るために、聞くために生まれた。この世の中はただそれだけを望んでいました。だとすれば、教師になれずとも、勤め人になれずとも、この世に生まれてきた意味はあるのです。」


ただそれだけ。それでいいんだ。
いろいろなものを見たい、聞きたい、見えないものも、聞こえないものも感じていきたい。自分の目で観て、聞いた世界を自分の言葉で表せばいい。生きていればこそ感じるものを肌で、心で、感じていきたい。


この映画の原作者ドリアン助川さんは
「『人の役に立つ』とか『立たない』という次元では無いところで、我々は生まれてきたんじゃないか。生命の根源に迫るそういうことを深く考えていきたかった。」と言っています。


生きるということ。作るということ。
どちらも味わいながら、もう一度見てみたい映画です。
 



おいしくなあれ おいしくなあれ
おいしくなあれ おいしくなあれ