念願

赤いカーディガン


30年ほど前に初めて娘にカーディガンを編みました。

育児雑誌に掲載されていたもので、まだ一歳前のとても小さいサイズなので、手軽に編めるかと思い挑戦してみてました。

見本のものは無地でしたが、万が一迷子になった時にすぐに見つかるようにと、模様を編み込む事を考えました。

誰もが知っている当時テレビで人気だったちびまる子ちゃんの模様に決め、適当に製図を書き編み込んでいきました。バランスと手加減が不安でしたが、思いがけず良いバランスに仕上がりました。

細かいところは刺繍やフエルトで仕上げ表情を付けました。なにせ寝ている間の僅かな時間で編むのですから、自分のやり方で、編み方を変えたり、ボタンホールを少し大きくしたりとやり易いようにアレンジしました。

本当に奇跡的な仕上がりになり、遠くに居てもすぐわかるので、とても助かりました。

娘への最初の作品なので、大事に保管していました。そして時々取り出しては眺め、もしかして…いつの日か娘に子供が産まれたらこれを着せて欲しいと思うようになりました。


先日その思いをついに叶えることができました。洗い直し、サイズ調整をして着てもらいました。

とても不思議な気持ちになりました。
30年前と今が重なり、いろいろなことが昨日のことのように蘇ります。頑張って編んだ甲斐がありました。

念願叶い親子2代に渡り着てもらえて、本当に嬉しいです。
私の気持ちを汲んで、快く孫に着せてくれた娘に感謝します。

原作35周年のちびまる子ちゃん。私にとってかけがえのない存在です。