羅漢
5 年ほど前見に行った『禅 心をかたちに』のリーフレットを見つけました。
高僧の肖像と墨蹟、仏像、仏画、工芸など、教科書や資料で見かける国宝・重要文化財などの貴重なものが数々展示されていました。
その中で私を釘付けにしたものがありました。
京都萬福寺 羅ご羅尊者像(らごらそんじゃぞう)です。
厳しい顔つきで自分の胸を開いて見せ、その中から穏やかな顔が見えます。
羅ご羅は釈迦の実子と言われ、
「人はその心の中に必ず仏の心を宿す。」という教えを伝えているのだそうです。
これは…『本当の私』そのものです。道場に入って学び始めた私は少しわかってきたばかり。これだ!とその像の前にしばらくいてじっくり眺めました。
何が起きても大丈夫。たんたんと気高く見える姿が印象的でした。古い時代から伝えられたこの存在。これからも伝え続けていきたいです。
いつか萬福寺に出向き、もう一度お目にかかりたいものです。もし展示貸し出し中だとしても、精巧に作られた顔出しパネルが待っているとのこと。
心の中の仏が自分の顔というのも、また、いいかもしれません。