感じること

楽しみへ

現在、第18回ショパン国際ピアノコンクールがワルシャワで行われています。ファイナルにはお2人の日本人が残り演奏しています。
反田恭平さんと小林愛実さんです。

そのうちのおひとり反田さんは、何年も前からファンでいつもその音色に魅了されています。何とここ盛岡でも3度コンサートがあり生で聞くことができました。「息子と同い年なんですよ!応援しています。」と最初にお話ししてからもう5年。その時満面の笑みと力強い握手の青年はどんどん風格が出てきています。

先程ファイナルの演奏をじっくり聴き、『音楽は感じるものなのだ』と実感しました。
音が気持ちいい。力強さと繊細さをあわせ持つ指が美しい。自然でありながら華やかさがあって、オーケストラとの調和が素晴らしい。指揮者の経験も活かし、指揮者とピアノ奏者とオーケストラの息づかいやアイコンタクトも絶妙。全員が楽しんでいるのが伝わってきます。そしてコンクールなのにまるで反田さんのコンサートに行っているような心地良さ、盛り上がりそしてスタンディングオベーション…会場は興奮の坩堝と化しました。

演奏後すぐにVサイン!
その後のインタビューでも「大満足です。少し休んで後の小林さんのサポートにまわります。」そんな余裕の発言もお見事です。

ここに来るまでの道すじを思うと感慨深いものがあります。こんなにも素晴らしい演奏に感謝します。そしてこれからも応援していきます。


ピアノといえば…私はピアノを弾くことができません。長い間そのことがずっと劣等感でした。自分で奏でることができたらどんなに楽しいだろう!感情を音で表現できたら面白そう!友達のほとんどが弾ける中、習った事もなく弾けない自分は情けないし、惨めで嫌でした。

道場で学びを始めて、自分が弾かなくてもピアノを楽しめるかもしれない。奏者と一緒に味ってみよう。そんな白を作って選んでいます。
そう選んでみると少しずつですが…苦しさや情けなさが軽くなり気軽に楽しむことができるようになってきました。

純粋に音を聞くこと。その表情を感じること。背景にあるものを知ること。その場の雰囲気を味わうこと。ピアノに関わる事をたくさん体験すること。楽しむには自分なりにいろいろな方法があるのも興味深いです。少しずつピアノが近い存在に感じてきました。

そして今、ピアノ素人の私がコンクールを1人勝手に楽しんでいることがとても面白いです。人それぞれの演奏が、その方自身を、人生を、表現しているようで魅力的です。その思いも感じながらこれからの演奏も楽しんでいきます。

さて、コンクールの結果はいかに⁈