禅語から

「柳緑花紅」

茶掛けでもよく目にするこの言葉。
心の学びを始めた頃、禅語の本を読んで、ハッと気づいた言葉です。
『柳は緑色に、花は紅色に。そのありのままの自然の姿こそが真実だということ。』
柳は紅になろうとせず、花は緑にも、もっと紅になろうともせず、ただたんたんと咲いている。これこそ、今私が学んでいること。物事を思考しすぎたり、斜めに捉えたり、深読みしようとしたり…そんなことをせず、ただありのまま見る。

こんな身近にあったのに全く気づかず、ただ眺めていた。これからはこの言葉をいつも心に置いておこう。そう思いこの言葉を書いてみました。面白いもので、時を同じくその場にいた数人も同じようにこの言葉を気に入りそれぞれが自分なりに表現したのでした。

これは北宋時代 蘇東坡(そとうば)が読んだ漢詩です。蘇東坡といえば高明な政治家、文人そして書家、水墨画の大家でもありました。また、中華料理の名品「東坡肉」の考案者でもあります!

書は教科書にも取り上げられるほどで、宗の四大家に数えられます。その古典をいくつも学びました。多彩な表現や重厚感ある書きぶりが好きです。

長い間関わってきた蘇東坡が、また私の学びを深めてくれました。いろいろなことがこのように関わりあっていることの面白さを知りました。

そして、東日本大震災の年
福島県の帰還困難区域のフェンス越しに見えた満開の桜並木🌸を思い出しました。何が起きても、たんたんと…見事に咲く桜を見て泣いている人々の姿も。