心のあり方

力を抜いてみる

お稽古の時に私がよく使う言葉です。
力んでいる、頑張りすぎている方にお伝えしています。

書道の場合、力が入りすぎていると筆がスムーズに動かなかったり、思うように表現できなくなります。せっかく、毛の束でできている毛筆ならではの弾力を生かすことができません。
これを意識していただくと、力を入れたままでは単調だった線が、力を抜くことで生き生きとした抑揚のある線になっていきます。力を入れる・力を抜くこの両方を使うことで、線のバランスをとっていくことができます。

これは、カーブを曲がる時の車のアクセル・ピアノを奏でる時の指のタッチ・ダンスを踊る時のため・テニスでインパクトする前も同じです。常に力を入れ続けるのではなく、力を抜く時があるからこそメリハリ、伸びやかさ、滑らかさが生まれ、時に瞬発力を発揮することができます。

これは心のあり方も同じです。
いつもいつも力を入れ頑張るのではなく、力を抜いてみる。すると、滞っていた血流がスムーズに流れるようなホッとした温かさを感じます。自分を見つめる余裕も生まれ、自分を感じることができるようになります。

演じたり装うことで頑張ることなく、今のままの自分でいること。正直に気持ちよく生きていくこと。これを大切にやっていきたいです。